COMPLEX屋敷日野音楽室第Ⅲ

5/19 神保町のアユ・トウキョー #3 ゲスト : 屋敷(Band Set)

不定期神保町試聴室シリーズ。

「神保町のアユ・トウキョー」

第3回目が迫ってきました。

このシリーズは「知人のミュージシャンのリリースを祝う」がテーマの一つとしてありまして、

今回は屋敷くんの『仮眠』を祝います。
5/20(土)神保町試聴室
『神保町のアユ・トウキョー #3』
出演:ayU tokiO / 屋敷(Band Set)
開場18:00 / 開演18:30
■料金:予約 2,800円(1ドリンク, スナック込)
期間限定で屋敷くんのサウンドクラウドに『仮眠』カセットから二曲アップされました。
聴いてみてください!
屋敷 / 花屋
屋敷 / おやすみ
改めて聴いてみてもやっぱり最高の出来だなと思うのです。
以前の記事ではこの内容についてほとんど触れていませんでしたので自分の方から少し『仮眠』カセットについてお話をさせてもらおうと思います。
屋敷くんとはライブの共演で知り合い、今回の音源制作の際「録音を手伝って欲しい」ということで相談を受けました。
自分はレコーディングスタジオ「日野音楽室第Ⅲ」をスタートさせたばかりでみなぎっており、「ayU tokiOの音楽が好きだ」と言う言葉を信じて録音の手伝いを引き受けることにしました。
自分の音楽のどのあたりが好きなのかによっては手伝いを断る時も増えたのですが、屋敷くんの場合は特にピンと来るものがありました。
手伝いと言っても自分と自分のスタジオではいわゆる普通のレコーディングエンジニアの様なことは出来そうにないし、そもそもシンプルに「少し良質な音で録音する」のをやったところで音楽(全般)が面白くもなる気が全くしていないのです。
そういうことよりもむしろ自分が介入する隙間を存分に見つけられそうだと感じて、それによって面白い音楽が生まれそうだとも感じられたので、「サウンドプロデュース」ということで一緒に音楽を制作する形でなら引き受けられそうだと伝えました。
近年の自分の他人の音楽との関わり方は全てこの感覚でやってます。
わかりづらい提案だったろうとは思うのですが、屋敷くんはそれを(ひとまずは)快く受け入れてくれました。(と感じてます!)
とはいえ、初めのうちは関係性をある程度構築しなければ制作が上手くいかなくなってしまう気もしたのでまず、屋敷くんと長いこといろんな話をした気がします。
屋敷くんは物静かな人ですが、話をすればいつまでも話し続けることのできるところがあり、そういうところが自分としてはとても心地良かったりします。
実際、音楽の話よりも生活の話なんかが気になって、何考えてるのか知りたくて色々と話を聞いたりしました。
自分の音楽の作り方ってそれだけでも十分な気がします。
結局アウトプットはローカルな日常に向けたものだったりします。
屋敷くんの音楽はギター一本と歌だけで成立するコードワークと複雑だけど親しみやすいメロディで成り立っています。あとは歌詞。
読むだけでも面白く、歌に乗せるとジーンと来る歌詞。
そしてそれを屋敷くんが歌うとなおのこと屋敷くんらしい音楽になるという、良い環境。
これに自分が何をできるかといえば、彼の持っているそれぞれの要素に別な切り口の景色を添えたり、混乱を招く様なトリックを仕込むことだと考えました。
こういうことは大好きです。
自分から特に強く提案したのは「ベースを入れないバンドサウンド」「コーラスを盛り込む」
だったのですが、エレキギター奏者として女性シンガーソングライターの白と枝を誘ってみることにしました。
彼女のアコースティックギターでの弾き語りはとても素敵ですが、エレキギターでもとても良いだろうと思っていたので相談してみたところ快く引き受けてくれました。
ドラムの椿三期くんは屋敷くんの仲良しということでバンドに参加してくれましたが、実は自分とは彼が小学生の頃に一度出会っていて、数年ぶりの再会でしたがかなり立派なドラマーになっていて心底感動しました。それでもまだ10代、未来しかないです。
具体的な音楽づくりについて少し触れます。
特に「おやすみ」という曲ではリバーブに歪みの成分を乗せたり、コーラスを乗せたり、屋敷くんの歌をダイナミックマイクで録ったりして質感に「優しい諦念」の感じを持たせようと努力しました。
自分が屋敷くんの音楽にそういうイメージを持ったからです。
白と枝のエレキギターの録音には僕のレスポールとエフェクター類、そして愛用しているオレンジのアンプを使ってもらいましたが、人の楽器でも楽しく演奏出来ると言うのも素敵なことだなと思ったし、慣れない状況でこそ新鮮に楽しめることがあると改めて気づかせてもらいました。
使用したエフェクター類はデジタルかつローファイな音作りに一役買っていると思います。
そして白と枝ちゃんはそれらの演奏方法についての飲み込みがとても早く、さらに練習に真面目。最高です。コーラスも最高でした。
三期(さんご)くんはその辺で拾ってきたと思われる壊れたヤカンなどのガラクタ類を用いてかなり独特なドラムセットを組むのですが、これがとても面白かったです。屋敷くんの音楽は大音量のものではないですが、手数が多くとも決して音の邪魔をすることなく、ユーモラスに自然に溶け込んでいました。
とても良いバンドでの録音だったなと思います。
動画にまとめたのでお暇な時にでも見てみてください。
撮影:ほぼ猪爪東風
編集:猪爪東風

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